サブノーティカ:ビロウゼロ レビュー|前作を愛するほど複雑な気持ちになる、それでも潜り続けてしまう水中サバイバル続編
総合評価:78/100(好評) Steam評価:Very Positive(非常に好評)|総レビュー数:53,099件|好評率:90%
「怖い、もうやだ、潜りたくない。でも潜りたい。」
前作『Subnautica』をプレイした人なら、このセリフが骨の髄まで刺さるはずだ。深海の恐怖と好奇心が拮抗するあの独特の緊張感は、多くのプレイヤーの心に刻み込まれた体験だった。
その続編『サブノーティカ:ビロウゼロ』は、2021年5月に正式リリース。惑星4546Bに再び舞台を戻し、前作から2年後の物語を描く。開発元はそのままUnknown Worlds Entertainment。約53,000件ものレビューで90%の好評率を誇り、Steam評価は「非常に好評」を獲得している。
しかしレビューの中身を読み込むと、あるパターンが浮かび上がってくる。「単体では面白い。でも前作が強すぎた」 という声が、繰り返し、繰り返し登場するのだ。
本記事ではそんな本作の魅力と課題を、できる限り正直に解説していく。
本作の舞台は極寒の惑星4546B。前作の南国的な温かみのある海から一転、青く冷たい氷海が広がる。それでも海中バイオームの美しさは健在で、蛍光色に光るサンゴ礁、幻想的な生物たち、奥へ進むほど深まる神秘的な雰囲気は、シリーズの真骨頂だ。
探索の没入感は相変わらず高く、好評レビュワーの平均プレイ時間は51時間。一度潜り込めば時間を忘れてしまうゲームであることは、この数字が証明している。
また本作で特に評価が高いのがストーリーの充実度だ。前作はどちらかといえばプレイヤー自身が謎を掘り起こしていくスタイルだったが、ビロウゼロでは主人公ロビンに明確な目的と感情があり、音声ボイス付きのキャラクター交流を通じて物語が展開する。「エンディングまで引き込まれた」「キャラクターへの愛着が生まれた」といった声も多く、ストーリー重視派のプレイヤーには前作以上に刺さる作品かもしれない。
サバイバル・クラフト系ゲームの醍醐味である拠点建築要素は本作でさらに強化された。生活家具やインテリアの種類が増え、自分だけの海底基地を作り込む楽しさは前作を超えている。「深海の底に居心地のいい家を作っている感覚が好き」という声も多く、拠点づくりにこだわりたいプレイヤーにとっては嬉しいアップグレードだ。
新しい乗り物「シースラック」や「スノーフォックス」、新バイオーム「クリスタルケイブ」など、探索を彩る新要素も豊富。前作を遊んだプレイヤーにも新鮮な体験を提供しようという開発の意図は、随所に感じられる。
日本語に完全対応しており、テキストもUIも日本語でプレイ可能。前作未経験者でも世界観に入り込みやすい点は大きなメリットだ。PC動作環境も公式に対応情報が整備されており、ミドルスペックのPCでも快適にプレイできる報告が多い。
正直に言おう。本作の不満点の多くは**「前作との比較」から生まれている**。
まず挙げられるのがマップの狭さと深度の浅さだ。前作では深海へ潜るほど未知の恐怖が積み重なり、「ここまで来てしまった……」という孤独感と達成感があった。しかし本作のマップはコンパクトにまとまっており、あの底知れぬ恐怖感は薄い。
「面白い要素は前作を薄めたもの。つまらない要素は今作のもの」
この辛口な声は、多くのプレイヤーが感じた本質をついている。
前作で愛されたサイクロプス(大型潜水艦)やシーモス、ステイシスライフルといった要素が削除されたことも、根強い不満の声が上がっている。これらの代替手段は用意されているものの、「あの戦略的な楽しさが戻ってこない」と嘆くファンは少なくない。
さらに本作の大きな特徴であり、同時に最大の論争点でもあるのが地上探索要素だ。
「海洋探索ゲームなのに3分の1以上を占める地上探索要素は本当に要りますか?」
吹雪などの天候システムも加わり、地上は快適とは言い難い体験になっている。「極寒の地上を何度も行き来しなければならないのがストレス」「迷子になりやすく没入感が切れる」という意見は多数派だ。
敵対生物の追跡が執拗すぎるという声も目立つ。前作の「基本的には安全、でも一部の生物は本当に怖い」というメリハリある設計と比べ、本作は頻繁に生物に追われるため、恐怖というよりストレスに変換されてしまうシーンが多い。
✅ 前作『Subnautica』が大好きで、あの世界をもっと体験したい人 ✅ 深海探索の雰囲気を楽しみながら、しっかりしたストーリーも味わいたい人 ✅ 拠点建築・クラフトにこだわって自分だけの基地を作りたい人 ✅ 前作未プレイで、深海サバイバルアドベンチャーというジャンル自体が初めての人(セール時に特におすすめ)
❌ 前作の「広大さ」「深さ」「あの恐怖感」を期待している人 ❌ サイクロプスやシーモスなど前作の装備・乗り物を愛していた人 ❌ 地上サバイバル要素や天候システムが苦手な人 ❌ 前作を最近クリアして「もっと同じ体験を」と思っている人(期待値の調整が必要)
『サブノーティカ:ビロウゼロ』は、単体のゲームとして見れば十分に水準以上の深海探索アドベンチャーだ。美しい海中世界、充実したストーリー、強化された拠点建築。プレイ時間の目安は30〜50時間で、ボリューム的にも決して物足りなくはない。
しかし、前作『Subnautica』があまりにも傑出した作品だったがゆえに、比較されるほど「薄まった感」が際立ってしまう。
「このゲーム単体で見れば面白いほうだからおすすめ。ただ前作が強すぎたから」
この言葉が、本作の立ち位置を最も正確に表している。
前作未プレイならセール時に迷わず購入を推奨。深海探索サバイバルというジャンルへの入口として、本作は十分に魅力的だ。前作プレイ済みなら、期待値を調整した上で検討を。「前作とは別物」と割り切れれば、十分楽しめる良作であることは間違いない。
それでも結局、あの深海はあなたを呼び続ける。潜るかどうかは、あなた次第だ。
プレイ時間目安:30〜50時間 日本語対応:あり(テキスト・UI完全対応) 購入推奨タイミング:前作未プレイはセール時、前作プレイ済みは期待値調整の上で検討