Yuppie Psycho レビュー|新入社員が巨大企業で魔女を狩る、不条理ピクセルホラーの怪作
『Yuppie Psycho(ユッピーサイコ)』は、スペインのBaroque Decayが手がけたピクセルアートのホラーアドベンチャーです。主人公は、巨大企業に採用された新入社員ブライアン・パスタナキ。出社初日に彼へ課された業務は、なんと社内に潜む「魔女」を狩ること——。不条理でぶっ飛んだ世界観と、手の込んだ不気味な演出が高く評価され、Steamレビューは「圧倒的に好評」を獲得。¥700という手頃な価格も相まって、多くのホラー好きを唸らせる怪作です。本稿では、その独特の魅力を実プレイヤーの声とともにレビューします。
- 新入社員が巨大企業で「魔女狩り」をする、不条理でぶっ飛んだ世界観
- 手の込んだホラー表現と不気味な演出が丁寧で、雰囲気作りが秀逸
- セーブの仕組みや懐中電灯が緊張感を生む、歯ごたえのある探索
- ¥700とは思えない作り込み。可愛さと不気味さの同居が魅力

冴えない青年ブライアンは、ある日、超巨大企業「シントラコープ」への採用通知を受け取ります。意気揚々と出社した彼を待っていたのは、まともな新人研修——ではなく、「社内に巣食う魔女を狩れ」という、あまりに非常識な業務命令でした。
ここから始まるのは、企業という日常的な舞台に、オカルトと不条理を大胆に注ぎ込んだ唯一無二のホラー体験です。「ストーリーはよくわからない(むしろ理解できる人いるの?ってぐらいぶっ飛んでる)」という声があるほど、本作の世界観は強烈。その振り切れ方こそが、本作最大の個性です。
▶1. 手の込んだホラー演出
本作の評価を支えているのが、丁寧に作り込まれたホラー表現です。ピクセルアートでありながら、不気味な雰囲気の演出には手が込んでおり、随所でプレイヤーをゾッとさせます。チープさとは無縁の、しっかりとした怖さが味わえます。
▶2. 緊張感を生むシステム
本作は、ただ怖いだけのゲームではありません。セーブの仕組みや、暗闇を照らす懐中電灯といったシステムが、探索に程よい緊張感を与えています。気軽にセーブできない緊張感は、ホラーとしての没入感を高める巧みな設計です。

▶3. 可愛さと不気味さのギャップ
本作の隠れた魅力が、可愛さと不気味さの同居です。主人公ブライアンは健気で愛らしく、「セーブ画面も可愛いし、ゲームオーバーの一枚絵も可愛い」と評されるほど。残酷で不条理な世界の中に散りばめられた愛嬌が、独特の中毒性を生んでいます。
本作で特筆すべきは、価格に対する満足度の高さです。¥700という手頃な値段でありながら、作り込まれたホラー演出、ボリュームのある探索、そして強烈な世界観を堪能できます。プレイ時間も10時間前後とアドベンチャーとしては十分な長さで、コストパフォーマンスは抜群です。
「Executive Edition」では追加要素も加わっており、より充実した内容になっています。ホラーゲームに興味はあるけれど高価なものは手を出しづらい、という人にとって、本作は最高の入り口になるでしょう。
- 企業×魔女狩りという唯一無二の世界観
- 手の込んだ丁寧なホラー演出
- 可愛さと不気味さの絶妙な同居
- ¥700とは思えない作り込みとボリューム
- ストーリーが難解で人を選ぶ
- セーブ制限・懐中電灯が煩わしいと感じる声も
- ホラー演出が苦手な人には刺激が強い
- 謎解きで詰まる場面がある
正直にお伝えすると、本作には人を選ぶ部分があります。まず、ストーリーが非常に難解で、「理解できる人いるの?」と言われるほどぶっ飛んでいます。物語をきっちり理解したい人には、もどかしさが残るかもしれません。
また、緊張感を生むための「セーブの不便さ」や「懐中電灯の制約」は、裏を返せばストレスにもなり得ます。「しんどかった」という正直な感想もある通り、快適さよりも雰囲気を優先した設計です。これらは世界観を表現するための意図的なものですが、テンポよく遊びたい人には合わないかもしれません。とはいえ、その不便さも含めて「味」と捉えられる人には、忘れがたい体験になるはずです。
