総合評価: 90/100 / Steam: Overwhelmingly Positive(圧倒的に好評)
※レビュー数と好評率は本文上部のスコアカードに最新値を表示しています。
- ジャンプ・ダッシュ・壁掴みの3操作だけで奥深く遊べる高難度プラットフォーマー
- 何百回死ぬ設計だが、リトライが速く「もう一回」が止まらない
- 山頂まで登れたのは全所有者の34.6%(2026年8月時点)。難度は数字にも出ている
- アシストモードは6項目を個別に調整できます。詰まった理由だけを外せます
- 本編クリア後もBサイドとCサイドで実質3周分の物量がある
Celeste は、Maddy Makes Games(現 Extremely OK Games)が開発した高難度2Dプラットフォーマーです。「セレステ山」に登る主人公マデリンの物語を通して、不安や自己受容といったテーマを描きつつ、極めて精密なアクションを要求します。2018年の発売以来「圧倒的に好評」を維持し続けている、インディーゲームを代表する一本です。
本記事では、シンプルな操作から生まれる奥深さと、何度も死ぬ設計の是非、そして誰も置き去りにしないアシストモードの価値を、実際のプレイヤーレビューを交えて率直にお伝えします。

▶1. 3つの操作だけで作られた奥深さ
本作の操作は、ジャンプ・ダッシュ・壁掴みの3種類しかありません。それだけにルールの理解は一瞬で済み、あとは組み合わせと精度の勝負になります。ダッシュの慣性や空中制御が非常に丁寧に作られており、思い通りに動かせること自体が快感になります。
▶2. 何百回死ぬ、それでも止められない設計
本作では死が前提です。しかし失敗しても即座に、ほぼ待ち時間なく再開できるため、「今のはこうすればよかった」と考える間もなく次の挑戦に入れます。この高速なリトライが、高難度でありながら理不尽さを感じさせない鍵になっています。

▶3. 誰も置き去りにしないアシストモード
本作の思想を象徴するのがアシストモードです。重要なのは「難易度を1段階下げる」方式ではなく、詰まっている理由を1つだけ外せる方式だという点にあります。調整できるのは次の6項目で、セーブスロットの選択画面からいつでも切り替えられます。
- ゲーム速度:10%刻みで50%まで落とせる
- 無限スタミナ:壁に掴まり続けられる
- 空中ダッシュ:標準/2回/無限
- ダッシュアシスト:押している間だけ時間が止まり、方向を確定できる
- 無敵:すべての障害でやられなくなる
- チャプタースキップ:章そのものを飛ばせる
壁登りだけが辛いなら無限スタミナ、8方向の入力が合わないならダッシュアシスト、という具合に必要な一点だけを緩められます。「アクションが苦手な人向けのイージーモード」ではなく、アクセシビリティ機能として設計されていることが、この粒度からよく分かります。
圧倒的に好評という評価の一方で、難易度と操作の精密さゆえの不満も存在します。
▶シビアな入力精度が求められる
要求される入力が非常に細かく、少しのズレが即死につながる場面が多くあります。特にアナログスティックでの操作は、8方向のダッシュ判定との相性で意図しない方向へ飛んでしまうことがあります。十字キーやキーボードに変えるだけで改善することも多いので、「下手だから」と結論づける前に入力機器を疑う価値はあります。それでも合わない場合の受け皿が、前述のダッシュアシストです。
▶「作業感」を覚える人もいる
新しいギミックが登場しても、結局は精密な操作の反復に帰結するため、成長実感を得られず空虚に感じるという声もあります。死んで覚える設計が合わない人には、途中で辛くなる可能性があります。
「短いインディー」という印象を持たれがちですが、中身は3層構造になっています。
| 層 | 内容 |
|---|---|
| 本編(Aサイド) | プロローグ+第1〜8章+エピローグ+第9章 Farewell |
| Bサイド | 各章に隠されたカセットテープを取ると解放される高難度版 |
| Cサイド | 第8章Bサイドを越えると解放。3〜4部屋でチェックポイント無し |
Bサイド・Cサイドは第1〜8章のそれぞれに用意されているため、同じ章を3通りの難度で遊べます。しかも別物の設計になっており、単なる敵増し・ダメージ増しではありません。価格に対する物量は見た目よりずっと多いと言えます。
そして本作にはハートドアという仕掛けがあります。第9章 Farewell を最後まで見るにはクリスタルハートが15個必要で、これは実質「ほぼ全部のBサイドを踏破せよ」という条件になります。物語の最後まで行きたいなら、高難度側から逃げられないという設計は、購入前に知っておく価値があります。
「高難度」は主観になりやすいので、Steamが公開している実績の世界達成率を見ておきたい(いずれも2026年8月時点)。
| 実績 | 達成率 |
|---|---|
| セレステ(セレステマウンテンを登る) | 34.6% |
| ストロベリーバッジ | 47.7% |
| ストロベリーメダル | 27.8% |
| 本物ゲーマー | 17.7% |
| Farewell(第9章クリア) | 8.8% |
| Wow(ムーンベリー取得) | 6.6% |
買った人の3人に1人しか山頂まで登れていません。 アシストモードという救済があってなおこの数字だという点は、正直に受け止めるべきでしょう。逆に言えば、達成率6.6%まで用意された「上」の広さが、やり込む人にとっての価値でもあります。
使ったほうがよい人
- 物語やクリアを最優先したい
- アクションが得意ではない
- 同じ場所で何十回も詰まっている
まず標準で挑みたい人
- 達成感を最大限に味わいたい
- 高難度アクションに慣れている
- 収集要素まで極めたい
- 高難度アクションの達成感を味わいたい人
- シンプルな操作で奥深いゲームが好きな人
- 名曲揃いのサウンドトラックを楽しみたい人
- 苦手でも「物語は最後まで見たい」人(アシストモードあり)
- 精密な入力の反復が苦痛な人
- 何度も死ぬ設計が受け付けない人
- のんびり進めるゲームを求めている人
発売から8年以上が経ち、Steamのセールでは大幅に値引きされることも珍しくないので、急がないならウィッシュリストに入れて待つのも手です。ただし本作は値引きを待つ理由が価格以外に無いタイプの作品でもあります。第9章 Farewell まで含めた完成形が最初から入っており、追加課金で増える要素はありません(有料DLCはサウンドトラックのみ)。

