エネルギー危機に陥った地球。最後の希望をかけて、たった一人で月へ向かう――『Deliver Us The Moon』は、放棄された月面基地を探索し、人類消滅の危機の謎を解き明かすSFアドベンチャーです。酸素残量と戦いながら静寂の宇宙を進む緊張感、そして美しいグラフィックが、一本のSF小説を読み終えたかのような余韻を残します。ボリュームは短めながら、密度の濃い宇宙体験を求める人に響く一作です。
- 無人の月面基地を探索し、人類の危機の謎を解くSFアドベンチャー
- 酸素管理の緊張感と宇宙の孤独感、美しいグラフィックが魅力
- ボリュームは5〜6時間と短め。サクッと濃密に味わうタイプ
- 静かなSF体験・物語重視の人に、セール時おすすめ

『Deliver Us The Moon』は、オランダのスタジオKeokeN Interactiveが手がけたSFアドベンチャーです。2019年にリリースされ、エネルギー資源を失い滅亡の危機に瀕した地球を救うため、放棄された月面基地へ単身向かう宇宙飛行士の物語を描きます。
プレイヤーは酸素を管理しながら基地を探索し、パズルを解き、そこで何が起きたのかを少しずつ解き明かしていきます。戦闘はなく、探索と謎解き、そして物語に重きを置いた作りです。本記事では、その魅力と注意点を、実際のプレイヤーの声とともに整理します。
▶1. 酸素管理が生む緊張感と孤独
本作の探索は、常に酸素残量との戦いです。静まり返った宇宙でたった一人、限られた酸素で進む緊張感が、唯一無二の没入感と孤独を生みます。
▶2. SF小説のような読後感
物語をたどり終えたときの満足感は、まるで一冊のSF小説を読み終えたかのよう。静かに余韻に浸れる作りが高く評価されています。

▶3. 緻密に作り込まれた宇宙空間
月面や基地内のディテールは非常に丁寧に作り込まれています。無重力での浮遊感や、廃墟と化した施設の雰囲気が、SFの世界へ深く引き込みます。
完成度は高いものの、いくつか注意点があります。
▶ボリュームと「ゲーム性」の薄さ
クリアまで5〜6時間と短く、戦闘もないため、ゲームとしての手応えより「体験」に寄った作りです。物足りなさを感じる人もいます。
▶動作の重さと演出面
推奨スペックでも後半が重くなる、字幕やキャラクター表現が分かりにくい、といった指摘もあります。一人称視点のため、画面酔いにも注意が必要です。

刺さる人
- 静かなSF体験を味わいたい
- 探索・謎解きと物語が好き
- 短時間で濃密に楽しみたい
合わない可能性がある人
- 戦闘やアクションの手応えを求める
- 長く遊べるボリュームが欲しい
- 一人称視点で酔いやすい
ボリュームの薄さという指摘について、 実際にどこまで遊ばれているかを確認しておきます (以下いずれも2026年8月時点のSteam実績統計)。
| 進行 | 達成率 |
|---|---|
| スキャン可能情報を1つ回収する | 90.9% |
| 序盤の到達点 | 81.1% |
| 中盤の到達点 | 65.3% |
| 終盤の到達点 | 50.3% |
| クリアに相当する区切り | 43.7% |
始めた人の43.7%が最後まで到達しています。
これはかなり高い数字です。 短いことは事実ですが、短いから軽いわけではなく、 最後まで見届けられている作品だということでもあります。
「ゲーム性が薄い」という指摘の裏返しとして、 脱落する理由も少ないという設計になっているわけです。
▶読み込む人と、進める人が分かれます
一方で、収集要素の数字ははっきり分かれます。
**オーディオログを全て集めた人は47.0%**いるのに対し、 ホログラムを全て目撃した人は17.4%、 **「ムーンマン」コミックを全て読んだ人は11.8%**です。
クリアした人の4分の1程度しか、周辺の読み物には触れていません。
SF小説のような読後感という長所は、 この層まで拾った人にとってのものだと言えます。 逆に本筋だけを追うと、物足りなさが残る可能性があります。
「じっくり読む作品」として買うなら、 進行に必要ない端末や紙も開くつもりで遊ぶことをおすすめします。
▶緊張感の実態
酸素管理の緊張感については、 **死が目前に迫ったときに酸素を見つけた人が17.1%**という数字があります。
大半のプレイヤーは、そこまで追い込まれていません。 緊張感はあるが理不尽ではない、というバランスです。 この手の作品が苦手な人でも、構えすぎる必要はないでしょう。
▶「操作する楽しさ」も一応あります
ゲーム性が薄いという指摘に対して、 手を動かす場面が無いわけではないことも挙げておきます。
圧倒的な力の源の放電タイミングを見つけた人は21.4%、 **世界を動かした人は20.6%**という区切りがあります (2026年8月時点のSteam実績統計)。
いずれもクリア率43.7%の半分程度なので、 進行に必須ではない仕掛けだと分かります。
つまり本作は、パズルを解く楽しみを求める人には物足りないが、 探せば手応えのある仕掛けも置かれているという構成です。
開発はKeokeN Interactive、発売は2019年10月10日、 日本語はテキストに対応しています。
- 静かで雰囲気重視のSF体験を求める人
- 探索と謎解き、物語をじっくり味わいたい人
- 短時間で濃密な体験をしたい人
- 戦闘やアクションの手応えを重視する人
- 長時間遊べる大ボリュームを求める人
- 一人称視点で画面酔いしやすい人

