総合評価: 85/100 / Steam: Very Positive(非常に好評)/ レビュー数: 6,754件 / 好評率: 85%
- 総合評価:非常に好評(80/100)
- 最大の魅力:マップマーカーなしの硬派な探索体験
- 気になる点:パズルが絵合わせ・数字パズルに集中
- 買い時:セール時購入推奨(目安:30〜50時間)
カナダのRogue Factorが2025年9月にリリースした『Hell is Us』は、「現代のゲームから失われた要素」——地図のマーカー、クエストログ、ガイドなし——を意図的に削ぎ落とした実験的なアクションアドベンチャーです。Steamでは累計六千件を超えるレビューで8割台の好評率を獲得し、評価が割れつつも**「忘れられない作品」**として語られる作品です。
舞台は内戦に揺れる東欧の架空国家「ハドハ」。プレイヤーは行方不明の両親を探す主人公として、超常現象が頻発する村々を巡り、自分の頭で謎を解き、文字とテクスチャだけで構成された物語を紐解いていきます。本レビューでは評価の分かれる本作の魅力と注意点を整理します。

▶1. 「ガイドなし」のラジカルな探索体験
Hell is Usの最大の特徴は**「ハンドホールディング・フリー」設計です。マップのマーカー・クエストの進行先・ミニマップでの目標表示——一切ありません。プレイヤーは村人の会話を聞き、メモを読み、地形を観察して**進路を判断します。
この設計は昔のRPG・90年代アドベンチャーの感覚に近く、慣れると探索の達成感が桁違いです。一方で、マーカーなしのゲームに耐性がない現代のプレイヤーには厳しい部分もあります。
▶2. 物語と世界観の作り込み
舞台のハドハは**「現代の東欧」を意識した架空国家で、内戦・宗教・超常現象が絡み合います。村人たちの会話・遺物・建物の落書き——あらゆる要素が物語を断片的に伝える設計で、Soulsシリーズに通じる「断片的ナラティブ」**の手法が取られています。
▶3. パリィと回避を駆使した戦闘
戦闘は剣・銃・ドローンを使い分けながら、敵の攻撃をパリィまたは回避で凌ぐ、Soulslike風味のシステムです。ボスがいない代わりに、通常敵の戦術性で奥行きを出している点が特徴的です。

86%という高評価ですが、批判点も明確にあります。
▶パズルの繰り返し感
本作のパズルは**「絵合わせ」「数字パズル」**といったシンプルなパターンが多用されており、種類の少なさが批判されています。
▶物語の終盤と完結感
クリア後のレビューでは、**「ストーリーの終わり方が唐突」**という指摘も。本作はマルチエンディングではなく、ラスト数時間の物語展開に賛否が分かれます。
▶Wiki前提の難易度
ガイド不在の探索は魅力的ですが、一部のパズルは公式ヒントだけでは厳しく、Wikiや動画ガイドに頼る場面も。

ガイドなし探索という設計が、実際にどう効いているのかを数字で見てみます (以下いずれも2026年8月時点のSteam実績統計)。
| 進行 | 達成率 |
|---|---|
| ミステリーを1つ解決する | 77.9% |
| 第1章をクリアする | 34.3% |
| 第2章をクリアする | 20.0% |
| 第3章をクリアする | 19.5% |
謎を1つ解いた人は77.9%いるのに、第1章のクリアは34.3%まで落ちます。
つまり**「面白さは伝わるが、そこから先が続かない」**という分布です。 Wiki前提の難易度という指摘は、この落差をよく説明しています。
一方で第2章(20.0%)から第3章(19.5%)はほとんど減りません。 第1章を越えられた人は、そのまま最後まで行くということで、 序盤さえ突破できれば作品として成立している、とも読めます。
▶戦闘は「相手の種類」を覚えるゲームです
パリィと回避の話をもう一段具体化すると、 本作の敵には感情に対応した属性があります。
恐怖・至福・嘆き・怒りの4種類で、 それぞれ「3種類を倒す」という区切りが用意されており、 達成率は**25.0%・24.9%・24.4%・24.3%**とほぼ横並びです。
特定の属性だけが極端に難しいわけではないということで、 戦闘で詰まる原因は属性の相性より基本動作の精度にありそうです。
敵の強さにも段階があり、 レベル1の敵を40体倒した人が45.9%・レベル2が29.3%・レベル3が20.7%。 章の進行とほぼ同じ速度で敵が強くなっていく構成です。
なお**タイムループを閉じた人は37.8%**います。 物語の終盤への評価は分かれていますが、 そこへ到達した人自体は3人に1人強です。
▶遊びやすさの設定は用意されています
Wiki前提の難易度という指摘とは別に、 設定でどこまで調整できるかも確認しておきます。
Steamのストアページで明示されている対応は次のとおりです。
- 難易度の調整……対応
- 時間制限付き入力なしでプレイ可能……対応
- 色のオプション……対応
- 字幕オプション……対応
- カメラの快適性……対応
- HDR使用可能
探索の難しさは設計上の意図ですが、戦闘の難易度は下げられます。 「探索は楽しいが戦闘で詰まる」という場合、 まず設定を見直すのが現実的な対処になります。
日本語はテキストのみ対応(フル音声は英語とフランス語)です。 開発はRogue Factor、発売は2025年9月4日、実績は40個です。
- 90年代の探索アドベンチャー(Myst系)が好きな方
- ガイドなしの探索を「楽しみ」と感じる方
- Soulslike系の断片的ナラティブが好きな方
- 雰囲気重視の地味な作品を楽しめる方
- 時間をかけてじっくり世界観を堪能したい方
- マーカー・ガイドのあるオープンワールドが好きな方
- パズルのバリエーション豊富さを求める方
- 明確なボス戦・カタルシスを期待する方
- 完結感のあるストーリーを重視する方

