V Risingレビュー|城を築き、夜を支配する——吸血鬼サバイバルが描く「狩る者」の物語
総合評価: 80/100 / Steam: Very Positive(非常に好評)/ レビュー数: 53,969件 / 好評率: 80%
スウェーデンのStunlock Studiosが手掛ける 「V Rising」 は、ひ弱な吸血鬼として目覚めた主人公が、血を求めて狩り、城を築き、ゴシック・オープンワールドで支配を広げていくアクションサバイバルです。2022年のアーリーアクセス公開時から累計53,000件超のレビューを集め、Steam評価は「非常に好評」を維持しています。
本作の魅力は単純なサバイバルゲームの枠を超えたところにあります。クォータービュー視点で繰り広げられる本格的なアクション戦闘、ボスを倒して能力を獲得していくMetroidvania的な進行設計、そしてグリッドベースで自由に組み上げる城建築——複数のジャンルの面白さを一つの吸血鬼ファンタジーに溶かし込んだ意欲作です。本レビューでは購入判断の役に立つよう、長時間プレイヤーの声と批判的意見の両方を踏まえて評価していきます。

▶1. 吸血鬼ロールプレイの没入感
V Risingが他のサバイバルゲームと一線を画すのは、「吸血鬼として生きる」というロールプレイ要素の徹底ぶりです。日中は太陽光に焼かれて致命的なダメージを受けるため、プレイヤーは自然と夜行性の生活サイクルを身につけていきます。狩りに出るのは夕暮れから夜明けまで、昼間は地下や日陰を縫って移動し、城に戻って製作・準備を整える——この昼夜の制約が単なるギミックではなく、ゲーム体験そのものを規定している点が秀逸です。
血を吸う対象によってバフが変化する 「血の質」システム も特徴的です。戦士から吸えば攻撃力が、職人から吸えば製作効率が上昇するなど、敵を選んで狩る戦略性が生まれます。ただ強い敵を倒すのではなく「誰の血を吸うか」を意識する設計が、吸血鬼というテーマを単なる外装に終わらせていません。
▶2. ボス撃破による進行システム
本作の進行は典型的なサバイバルゲームの「素材を集めて技術ツリーを開放」とは異なり、特定のネームドボスを倒すことで能力を獲得する Metroidvania風の構造を取ります。新しい武器の作り方、新しい呪文、新しい召喚獣——いずれもマップに点在するV Bloodと呼ばれるボスを討伐することで初めて開放されます。
このシステムが優れているのは、プレイヤーの実力が直接プログレッションに反映される 点です。レベルを上げるためのグラインドではなく、目の前のボスとの戦闘そのものが報酬になります。Soulslike経験者にも訴求するアクション性の高さで、回避・パリィ・呪文タイミングを駆使する戦闘は「殴れば勝てる」とは程遠いです。

▶3. 城建設の自由度と機能性
サバイバルゲームの根幹である拠点建設も、本作では「吸血鬼の城」という強固なテーマで彩られています。グリッドベースの建築システムで壁・床・家具を配置していきますが、見た目だけの飾りではなく、製作設備の配置効率や防衛動線が攻略の鍵になります。各設備の周囲には影響範囲があり、効率的なレイアウト設計そのものがミニゲーム化しています。
ステンドグラスや王座、地下牢、棺桶といったゴシック調の装飾も豊富で、機能とロマンを両立できます。PvPサーバーでは他プレイヤーから城を守る防衛戦も発生するため、トラップ配置や入口の配置までもがゲームプレイの一部となります。

高評価の一方で、購入前に押さえておくべき弱点もあります。
▶ソロプレイの難易度バランス
最も多く指摘される問題は ソロとマルチプレイの難易度ギャップ です。本作は協力プレイ前提の調整が随所に見られ、ソロで挑むと中盤以降のボス戦が極端に厳しくなる傾向があります。
サンドボックス的な自由度を期待してくると、実際にはチュートリアル兼導線に沿ったボスラッシュ的構造であることに違和感を抱くプレイヤーは少なくありません。難易度設定でカスタマイズは可能ですが、デフォルト設定でのソロ体験はやや過酷な部類です。
▶アップデート後の安定性問題
最近のアップデート以降、一部環境で フリーズやクラッシュが頻発する との報告も上がっています。
すべての環境で起きるわけではありませんが、購入前にはSteamフォーラムで自分のGPU・OS構成に関する報告を確認しておく方が安全です。発生頻度はそこまで高くないものの、起きると致命的というタイプの問題です。
▶序盤からのテンポ
サバイバルゲーム特有の「序盤の素材集めが冗長」という感覚も本作には残ります。ボス撃破までの導線は明確ですが、最初の数時間は移動と採集が中心になりがちで、戦闘の楽しさが本格的に解放されるのは10〜20時間以降。最初の山を越えるまで継続できるかが評価の分かれ目になります。
マルチプレイ向き
- 難易度バランスが調整済み
- 建築・分業で深みが出る
- PvPサーバーで城防衛の戦略性
- フレンドと長く遊べる
ソロプレイの注意点
- 中盤以降のボス戦が過酷
- マップ移動が単調に感じやすい
- 難易度カスタマイズが必須級
- 建築の楽しみは存分に味わえる
- ダークファンタジーやゴシックホラーの世界観が好きな方
- アクション性のあるサバイバルを求めるプレイヤー(ARK、Valheim等の経験者)
- 城・拠点を作り込むのが好きな建築派
- 友人とのCo-opプレイを楽しみたい方
- Soulslike的な歯ごたえのある戦闘を歓迎する方
- 完全な「自由なサンドボックス」を期待している方
- ソロ専用でカジュアルに遊びたい方
- PvPで一方的に襲われるストレスに耐えられない方
- 序盤のグラインドに耐性がない方
執筆時点では55%オフで ¥1,530 と、過去の値引き履歴を踏まえても十分安い水準にあります。「夜の支配者として城を構える」 という幻想を現実にしてくれる、唯一無二の体験がここにあります。

