Cities: Skylines II で都市が大きくなるほど深刻になるのが渋滞だ。渋滞は物流を止め、住民の不満を招き、都市の成長そのものを鈍らせる。本記事では、渋滞の根本原因を押さえたうえで、道路の階層設計・交差点の改善・公共交通・貨物輸送・ゾーニングという5つの視点から、交通を流すための対策を解説する。
- 高速→幹線→集散→生活道路の階層を作るのが渋滞対策の基本
- 渋滞は交差点のボトルネックで発生する。信号よりラウンドアバウトが有効
- バス・トラム・地下鉄で「そもそも車を使わせない」のが根本解決
- 貨物鉄道と工業の近接配置で、物流トラックを街路から減らす

渋滞対策で最も効果が大きいのが、道路に役割を持たせる「階層設計」だ。すべての道路を同じように扱うと、生活道路に通過交通が流れ込んで詰まる。
▶1. 4段階の役割分担
- 高速道路:都市間・長距離の移動を担う。交差点や信号を置かない
- 幹線道路:主要地区どうしを結ぶ大きな道路(6車線など)。ゾーニングはしない
- 集散道路:幹線から分岐し、地区内をつなぐ中容量の道路
- 生活道路:集散道路につながる末端の道路。ここに住宅などをゾーニングする
この順に交通が流れる形を作ると、通過交通と生活交通が分離され、全体の流れが安定する。
▶2. 幹線道路に直接ゾーニングしない
やりがちな失敗が、容量の大きい幹線道路に直接住宅や商業を並べることだ。建物への出入りが本線の流れを妨げ、幹線が渋滞の発生源になってしまう。幹線は「通すための道」と割り切る。
対策を打つ前に、どこで何が起きているかを見る手段を押さえておきたい。本作には情報ビューが用意されており、交通量や渋滞、公共交通の利用状況などを地図上に重ねて確認できる。
ここが最も使われていない機能である。 実績「情報屋(情報ビューをそれぞれ閲覧する)」の達成率は11.1%(2026年8月時点)——9割のプレイヤーが情報ビューを一通り見たことすらない。
渋滞対策で遠回りになる典型が、見ないまま道路を広げることだ。情報ビューを開けば、
- どの道路が容量に対して過密なのか
- 詰まりの列がどの交差点から伸びているのか
- 公共交通が実際に使われているのか
が一目で分かる。「広げる前に見る」だけで、工事の空振りが激減する。
しかも本作の道路工事はやり直しにコストがかかる。見ないまま拡幅して効果が出ず、また作り直す——という往復が一番高い。情報ビューを開く数十秒が、そのまま予算の節約になると考えたい。
▶1. 渋滞は必ず一点から始まる
渋滞の列は、処理能力を超える車が集まる交差点(ノード)から伸びていく。まずは詰まりの先端がどこかを探し、その一点を改善するのが最短の解決策だ。手前の道路を広げても、ボトルネックが残っていれば解消しない。
▶2. 信号をなくす発想=ラウンドアバウト
信号は交通を止めるため、渋滞の大きな原因になる。主要な交差点をラウンドアバウトに置き換えると信号待ちがなくなり、流れが大きく改善することが多い。交通量が非常に多い場所では、立体交差やインターチェンジも検討する。
道路をいくら改良しても、車の総量が多ければ限界がある。根本的な対策は「車を使わせないこと」だ。
▶1. 公共交通を整備する
バス・トラム、そして特に地下鉄は、住民が自家用車を使う必要をなくす。渋滞の影響を受けない地下鉄は、人口密度の高い地区どうしを結ぶ手段として非常に強力だ。主要な住宅地・商業地・オフィス街を路線でつなぐ。
どれくらい引けばよいのかの目安として、実績「いつでもどこでも(稼働中の交通ラインの数を20にする。乗客ラインでも貨物ラインでもよい)」の達成率が13.8%(2026年8月時点)という数字がある。20路線に届いている都市は7分の1程度なので、「路線が足りているか」を疑うときの基準として使える。
渋滞に悩んでいるのに路線が数本しかないなら、道路より先にここを増やすほうが効く。
▶2. 貨物は鉄道に逃がす
産業からの物流トラックは街路の交通量を押し上げる。貨物駅を設けて他都市や工業地区と鉄道で結び、工業地区を貨物拠点の近くに配置すると、街中を走るトラックを大きく減らせる。
▶3. ゾーニングで移動距離を短くする
高密度オフィスを高密度住宅や交通拠点の近くに配置すると、住民は徒歩や短い公共交通で通勤できるようになり、そもそも車に乗らない。職住近接を意識したゾーニングは、道路工事より効果的な渋滞対策になりうる。

街全体に一律で手を入れると、効果があったのかどうかが分からなくなる。本作には**特区(ディストリクト)**があり、区域を指定して、そこだけに条例を適用したり公共サービスを割り当てたりできる。
- 特区を作り、その特区に公共サービスを割り当てる(実績の達成率26.3%)
- 特区に条例を制定する(28.3%)
- 同時に5つの都市条例を稼働させる(8.0%)
つまり**「問題のある地区だけを対象に、対策を1つずつ試す」**という進め方が公式に用意されている。渋滞は原因が複合しやすいので、範囲を絞って1つずつ動かすほうが原因の切り分けが早い。
**条例を5つ同時に動かしている都市が8.0%**という数字は、制度面の手当てがほとんど活用されていないことを示している。道路を引き直す前に、一度こちら側を確認する価値がある。
対策のつもりが逆効果になっているケースも多い。次の3点に注意したい。
▶1. とにかく道路を広げる
詰まっている場所の手前を6車線に広げても、その先の交差点の処理能力が変わらなければ渋滞は解消しない。むしろ流入量が増えて悪化することもある。広げる前に、必ずボトルネックの位置を特定する。
▶2. ラウンドアバウトを万能だと思う
ラウンドアバウトは信号待ちをなくす有効な手段だが、流入量が処理能力を超えると環内で詰まり、かえって全方向が止まる。交通量が極端に多い地点では、立体交差など別の解決策を検討する。
▶3. 公共交通の路線が実態に合っていない
バスや地下鉄を敷いても、住民が実際に移動したい経路と一致していなければ使われない。どこからどこへ人が動いているかを確認し、需要のある区間を結ぶ路線にすることが重要だ。
