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Kenshiレビュー|ストーリーも主人公補正もない、究極の自由を生きるサンドボックスRPG

14分で読めます266 閲覧
96
/100
圧倒的に好評
116,526件のレビュー (96%が好評)
不評 4%好評 96%

良い点

  • +何者にでもなれる圧倒的な自由
  • +自分だけの物語が生まれる没入感
  • +膨大なMODと数百時間の奥行き
  • +低スペックでも動作

気になる点

  • -古いUIとグラフィック
  • -説明が少なく学習コストが高い
  • -序盤の拒絶反応

「お前は選ばれし勇者ではない。ただの、何者でもない一人だ」――『Kenshi』が突きつけるのは、そんな剥き出しの自由です。広大な荒廃世界に放り出されたプレイヤーは、明確な物語も目的も与えられず、奴隷にされようが手足を失おうがすべて自己責任。それでもこのゲームには、他のどんなRPGにもない「自分だけの物語が生まれる」中毒性があります。好評率96%、レビュー11万件超という数字が、この硬派な傑作の凄みを物語っています。

価格
¥3,500
好評率
96%
自由度
極めて高い
推奨プレイ
100h以上
Kenshi 荒廃した世界
Kenshi 荒廃した世界
広大で過酷な荒廃世界に、たった一人で放り出される(画像:Lo-Fi Games)
  • 総合評価:圧倒的に好評(90/100)
  • 最大の魅力:何者にでもなれる圧倒的な自由
  • 気になる点:古いUIとグラフィック
  • 買い時:自由なロールプレイ好きなら唯一無二の一本(目安:100時間以上)

『Kenshi』は、イギリスの小規模スタジオLo-Fi Gamesが長い年月をかけて作り上げた、フリーローミング型のサンドボックスRPGです。2018年の正式リリース以来、口コミで評価を高め続け、今なお熱狂的なファンを生み続けています。

本作には、決められた主人公も、追うべきメインストーリーもありません。剣士になるも、商人になるも、奴隷から成り上がるも、ただ荒野をさまようも自由。世界はプレイヤーを特別扱いせず、強い者に蹂躙され、弱ければ淘汰される。その容赦のなさこそが、唯一無二の没入感を生みます。本記事では、その魅力と、人を選ぶ高いハードルを、長時間プレイヤーの声とともに掘り下げます。

開発・販売元Lo-Fi Games
リリース日2018年12月6日
ジャンルサンドボックスRPG/シミュレーション
日本語対応字幕・UI対応
対応プラットフォームWindows
MODSteam Workshop対応

1. 「何者にでもなれる」圧倒的な自由

本作の核心は、徹底した自由です。一人の放浪者から始め、仲間を集め、拠点を築き、勢力に挑む――その過程に決まった正解はありません。すべての選択がプレイヤー自身の物語になります。

316時間プレイ 高評価
このゲームは自由です。自由とはあなたのやり方次第ということ。とにかくコツコツと地味に時間をかけてキャラを育成していくことが生きる秘訣。焦らずじっくり、生存最優先で考えること。判断力が試されます。

2. 「無慈悲さ」が仕組みとして実装されている

本作の自由を支えているのは、プレイヤーを特別扱いしないルールです。抽象的な話ではなく、具体的な仕様としてそうなっています。

  • 切り傷は自然に治らない。包帯を巻かなければ、傷の最後の20%は永久に残ります
  • 手足は失われる。HPが最大値のマイナス相当まで削られると切断され、ロボット義肢で置き換えない限り、戦闘も——脚なら日常のほとんども——まともに機能しません
  • 空腹には明確な閾値がある。200を切れば栄養失調でステータスが落ち、100を切れば定期的に気絶し始め、放置すれば餓死します
  • 奴隷にされたキャラは空腹100前後で維持されるため、救出しても栄養失調でボロボロです

一方で、這い上がる道も同じだけ具体的に用意されています。頑丈さ(Toughness)は殴られることで伸び、受けたダメージ1点ごとに経験値が入ります。しかも防具や頑丈さ自体で軽減されたダメージも計上される

つまり本作では、負けること自体が成長になる。「勝てない相手から逃げろ」という定石と、「殴られて強くなる」という育成が矛盾なく同居しているのは、かなり特異な設計です。

3. 自分だけの物語が生まれる没入感

主人公補正がないからこそ、敗北も逆転も、すべてが自分の体験として刻まれます。「異世界に転生して一から生き抜く」という妄想を、本当に実現できる稀有なゲームです。

172時間プレイ 高評価
異世界転生なんて妄想してもできないって思ってた。このゲームならできる。仲間も拠点も理不尽も景色も冒険も。軽いし、非力なPCでも動くよ。
Kenshi 仲間との冒険
Kenshi 仲間との冒険
仲間を集め、拠点を築き、自分だけの勢力を育てていく(画像:Lo-Fi Games)

4. 実績が「ない」という潔さ

細かい点ですが、本作にはSteam実績が1つもありません。これは手抜きというより、設計思想の表明に見えます。

実績は本来「開発者が想定した遊び方」を示す指標です。それが存在しないということは、何を達成と呼ぶかをプレイヤー側に完全に委ねているということ。奴隷から成り上がるのも、商人として富を築くのも、荒野に一人で小屋を建てて暮らすのも、どれも等しく「クリア」になります。

チェックリストを埋める遊び方に慣れていると最初は戸惑いますが、目的を自分で決めるのが本作の遊び方そのものだと理解すると腑に落ちます。

5. MODと長大なプレイ時間

Steam Workshopには膨大なMODが揃い、快適性の向上から世界観の拡張まで自在です。数百時間、人によっては数千時間遊んでも飽きない底知れぬ奥行きがあります。

2656時間プレイ 高評価
2500時間遊んでもまだ味が出てくる。有志のMODには、ベッドでの回復速度を上げるものなど、ゲーム体験を快適にする有用なものがいくつかある。

唯一無二の魅力の裏で、参入のハードルは決して低くありません。

古いUIとグラフィック

長年かけて作られた作品ゆえ、UIやグラフィックには古さがあります。近年のゲームに慣れた人ほど、第一印象で抵抗を感じることがあります。

体験プレイ 不評
今からプレイするには何もかもが古過ぎる。少し前のMMORPGのようなグラフィックとUIに抵抗があった。恐らく序盤の拒絶反応を乗り越えられたら味がしてくると思うが。

手順を知らないと拠点が始まらない

説明不足が最も痛いのが拠点作りです。何も研究していない状態では、住居として建てられるのは「小屋」だけ。研究台を建てて技術を進めない限り、拠点らしいものは何一つ作れません。

しかもレベル2の研究台に到達するには本が8冊必要で、序盤の所持金では簡単に揃いません。「街で安い建物を買い、そこで研究を済ませてから荒野に出る」という遠回りが実は最短、といった知識はゲーム内では一切示されません

説明の少なさと高い学習コスト

操作やシステムの説明が乏しく、最初は何をすべきか分かりにくい設計です。自分で調べ、試行錯誤を楽しめる人向けの作品です。

34時間プレイ 賛否
むずかしいけど楽しかった。明確なストーリーがないのと、とにかくゲーム性や要素がわかりづらくて難しいので、ゲーム上級者におすすめ。
Kenshi 拠点建設
Kenshi 拠点建設
試行錯誤の末に築く拠点が、自分の物語の舞台になる(画像:Lo-Fi Games)

深くハマれる人

  • 自由なロールプレイを求める
  • 試行錯誤と成長を楽しめる
  • 自分で物語を作りたい

合わない可能性がある人

  • 明確な目標と導線が欲しい
  • 最新のUI・グラフィックを重視
  • すぐに爽快感を得たい
豆知識: 序盤の拒絶反応さえ乗り越えれば「味が出てくる」と多くのプレイヤーが語る。操作に慣れるまでは積みゲーになりがちだが、システムを理解した瞬間から一気に化けるタイプの作品だ。
  • 自由なロールプレイで自分だけの物語を作りたい人
  • 試行錯誤とコツコツ育成を楽しめる人
  • 数百時間遊べる底の深いゲームを探している人
  • 明確な目標とストーリーの導線を求める人
  • 古いUI・グラフィックに抵抗がある人
  • 手早く爽快感や達成感を得たい人
最終評価
主人公補正のない世界で、自分だけの物語を生きる究極のサンドボックス
Kenshiは、決められた物語も主人公補正も持たない、徹底した自由が魅力のサンドボックスRPGです。その無慈悲さは雰囲気ではなく仕様として実装されており、切り傷は包帯なしでは最後まで治らず、手足は本当に切断され、空腹は200で栄養失調・100で気絶という閾値で管理されます。一方で這い上がる道も同じだけ具体的で、頑丈さは殴られるほど伸び、軽減されたダメージすら経験値になります。負けること自体が成長になるという設計は、他ではなかなか見られません。拠点作りは研究なしでは小屋しか建たず、レベル2の研究台には本が8冊要るなど、知らなければ始まらない手順も多い。古いUIや説明の少なさといったハードルは確かにありますが、それを乗り越えた先には数百時間が溶ける底知れぬ奥行きが待っています。好評率96%という評価が示す通り、人を選ぶが、ハマれば一生モノの一本です。
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