『Lies of P』は、韓国のNEOWIZが手がけたソウルライクアクションRPGです。童話『ピノッキオ』を、退廃と狂気に満ちたベル・エポックの都市を舞台に大胆に再構築。プレイヤーは人形「P」として、嘘をつきながら人間性を獲得していくという独特の物語を体験します。「フロム・ソフトウェアのフォロワー」と呼ばれる本作ですが、その完成度は単なる模倣に留まりません。本稿では、実際のプレイヤーの声を交えながら、その魅力と気になる点を率直にレビューします。
- フロムゲーに最も近いと評される、極めて完成度の高いソウルライク
- 武器を「柄」と「ブレード」に分解・自由組み合わせできる独自システムが楽しい
- SEKIRO譲りのジャストガードが鍵だが、アプデで難易度調整も可能になった
- 退廃的で耽美な世界観とストーリー・NPCイベントの作り込みが秀逸
- 2025年6月に追加ストーリー「Overture」が配信済み(¥3,400)
- P機関という別枠の強化系統があり、フェーズ5到達は**44.9%**にとどまる

ソウルライク——フロム・ソフトウェアの『ダークソウル』が確立したジャンルには、数多くのフォロワー作品があります。その中で本作『Lies of P』は、頭ひとつ抜けた評価を獲得しました。Steamレビュー約7.8万件で「非常に好評」。あるプレイヤーは「ただのパチモンという一言では片付けられないほど高いクオリティを持つ作品」と評しています。
世界観は、ブラッドボーンのクトゥルフ的な雰囲気を産業革命期のスチームパンクに落とし込んだような印象。戦闘システムはSEKIROの「弾き」とブラッドボーンのスタイリッシュさを組み合わせた手触り。フロム作品が好きな人ほど、その「本気度」に唸らされるはずです。
▶1. 「神は細部に宿る」を体現した丁寧な作り
本作を語るうえで欠かせないのが、その作り込みの細やかさです。ボス戦や道中の歯ごたえはもちろん、ストーリーラインとNPCイベントの作り込み、ゲーム性にも配慮した耽美なマップデザイン——どれを取っても丁寧です。グラフィックやムービーの質も高く、「本家フロムにも劣らないレベル」という声もあります。
▶2. 武器を分解・組み合わせる独自システム
本作最大の独自性が、武器の「柄」と「ブレード」を分解し、自由に組み合わせられるシステムです。攻撃モーションを決める「柄」と、属性やスケーリングを決める「ブレード」を入れ替えることで、自分だけの武器を作れます。「モーションが恵まれた武器を使えばほぼ苦労しない」という声もあり、攻略の幅を大きく広げる楽しい要素です。

▶3. SEKIRO譲りのジャストガード
戦闘の核は、敵の攻撃に合わせてガードを成功させる「ジャストガード(ジャスガ)」。雑魚もボスも、これをさせまいと超絶ディレイのかかった攻撃を繰り出してきます。緊張感のある攻防は本作の醍醐味ですが、「すべて成功させる必要はなく、狙えるところだけで十分」という声もあり、苦手な人でも攻略の糸口はちゃんと用意されています。
かつて本作は「難易度が高すぎる」という声が多くありました。しかし、度重なるアップデートで難易度調整が可能になり、遊びやすさは大きく向上しています。DLC『Overture』も追加され、ボリュームと完成度はさらに増しました。「アクションが苦手でもボスを初見撃破できることがあった」という声もあり、ソウルライク初挑戦の人にも門戸が開かれています。
- フロムに迫る高い完成度と歯ごたえ
- 武器の分解・組み合わせが自由で楽しい
- 耽美な世界観とストーリーの作り込み
- アプデで難易度調整・遊びやすさ向上
- ジャスガ前提の戦闘は人を選ぶ
- ディレイ攻撃に「嫌らしさ」を感じる声も
- ソウルライク未経験だと序盤は厳しい
- 独特の癖の強さがある
高評価が並ぶ一方で、戦闘を楽しめなかったという声も確かにあります。「終盤に行くにつれて嫌いになった」「戦闘面が本当に面白くない」という辛口の意見も存在します。これは主に、ジャスガを誘うディレイ攻撃の「いやらしさ」に対する好みの問題です。
つまり本作の戦闘は、ハマる人には最高に楽しく、肌に合わない人には終始ストレスになり得る、という性質を持っています。SEKIROの弾き合いが好きだった人には強くおすすめできますが、その手触りが苦手だった人は、まず体験版で確かめるのが安全でしょう。
本編の評価が固まったあと、2025年6月6日に大型の追加ストーリー「Lies of P: Overture」(¥3,400)が配信された。本編とは別売りのDLCで、本編より前の時系列を描く内容になっている。
購入を検討するなら、まず本編(¥8,360)だけを買えばよい。本編は単体で完結しており、Overtureは本編を終えてから触れる位置づけである。逆に言えば、発売から時間が経った今でも「まだ続きがある」作品だということでもある。
なお有料DLCはこのほかに衣装パックとサウンドトラックがあるが、いずれもゲーム内容には影響しない。
本作は「クリアして終わり」の作りではない。Steamの実績達成率を見ると、育成を伸ばし切らずに終えている人がかなり多いことが分かる(2026年8月時点)。
| 実績 | 条件 | 達成率 |
|---|---|---|
| 究極のディフェンス | ジャストガードで敵の武器を破壊する | 81.5% |
| 可能性の追求 | 武器の調合を試みる | 64.6% |
| 最強のリージョンアーム | リージョンアームを最大まで強化 | 47.0% |
| 極限のポテンシャル | P機関をフェーズ5まで解放 | 44.9% |
| 最強の通常武器 | 通常武器を最大まで強化 | 42.2% |
| 無限の可能性、その先へ | P機関の能力をさらに強化 | 15.6% |
注目したいのはP機関である。これはレベルアップ(ステータス振り)とは完全に別枠の強化系統で、武器やステータスでは埋まらない基礎性能をここで底上げする。**フェーズ5に到達している人は44.9%**と半数を切っており、戦闘が辛いと感じている人の一部は、単にここを伸ばしていない可能性がある。
逆に「ジャストガードで敵の武器を破壊する」は**81.5%**が達成している。受けて崩すという本作の芯は、ほとんどの人がちゃんと味わえているということでもある。

